本当に欲しいのは何?ニーズとウォンツの違いについて

本当に欲しいのは何?ニーズとウォンツの違いについて

マーケティングの基本的な考え方に「ニーズ」と「ウォンツ」があります。「ニーズ」というのはよく聞くフレーズと思いますが、「ウォンツ」というのは聞いた事ない方もいるかもしれません。お客様は商品・サービスをどのように選んでるのかこの2つの視点から見ていきたいと思います。

ニーズとウォンツの定義

まず、この2つの言葉の定義については、考え方が色々あります。人それぞれの解釈や、英単語からの印象など、使うひとごとに意味が違い、中には正反対の意味のものもあります。
ここでは私なりの定義(私が参考にした書籍などからうけた印象です)でお話ししたいと思います。

ニーズとは

何かが不足している状態、必要性
例)お腹が減っているのでなにか食べたい。

ウォンツとは

不足を補うための解決策として特定のものに感じる欲求
例)お腹が減ってるのでモスのハンバーガーが食べたい!

具体例でみるニーズとウォンツの違い

もうちょと具体例でみてみましょう。

お腹がぺこぺこに減ったのでなんでもいいからとにかく食べたい!

ニーズ → お腹がへっている。ぺこぺこですので必要性が高く緊急性がありますね。
ウォンツ → なし。(空腹が満たせればなんでもいい)
消費ストーリー → 強い空腹感をかかえて、お店を探すが田舎でなにもない!1件だけあったうどん屋さん。メニューも少なく、お店も古かったが、とにかくなにか食べたかったので店に入った。

初デートだからおしゃれなレストランでディナーしたい。

ニーズ → 空腹を満たすことももちろんですが、相手に好意をもってもらい距離を縮めることが主目的といえそうです。
ウォンツ → 相手が満足できそうでデートが盛り上がるようなレストラン。
消費ストーリー → ずっとアプローチしていた女性とやっとデートできることに。ネットで雰囲気のいいお店を検索。値段の割に量が少ない気もしたが彼女が満足してくれそうなのでここに予約した。

ニーズ・ウォンツ分析でみえてくるもの

同じ2つの飲食店利用例ですが、「ニーズ」「ウォンツ」共に違いますね。
これらは、このお店をお客さんが利用したきっかけ・理由です。
ニーズ=必要性ですのでお客さんが消費行動を起こすきっかけともいえますね。

前者はウォンツがありませんが、そのくらい「ニーズ」が強いともいえます。(強いニーズ(お腹がぺこぺこ)になるまで満たされなかった。)このうどん屋さんの地理的環境がウォンツ:なしを生み出す一因となってます。

現代ではモノやサービスがあふれているので大抵の場合は消費者にたくさんの選択肢があります。多くの選択肢の中で「ニーズ」をみたすための特定の解決策=「ウォンツ」といえます。今の顧客がどういうニーズ・ウォンツをもっているかを把握することでより顧客満足度や集客をアップさせることができます。

たとえば両店舗で資金を投入できるとすれば、前者はお店を新しくしたり商品を開発するより大きな看板を建てる事が効果的でしょう。後者はお店の内装や生演奏、広告などによる知名度アップなどが考えられます。

潜在的なニーズを見つけ、ウォンツを提示する

先述の飲食店の例からみても 飲食店=空腹を満たす というニーズだけではないことが分かると思います。
前述のデートのおしゃれなレストランをさがしていた場合のニーズは、空腹を満たすことよりデートが盛り上がることにウェイトがありますので、時間帯やデートコースによってはレストランではなくバーなどでもニーズを満たすことができるかもしれません。

顧客はそれぞれのニーズをもち、それを解決するための手段・商品に対する欲求「ウォンツ」を思い描き、商品を買いにいったり、お店をさがしたりします。逆にいえばニーズを解決することができ、自分の思い描く「ウォンツ」より優れているものがあればそっちでいいわけです。

潜在的なニーズ-本当に欲しいのはドリルじゃない-

この例としてよく引用されるのが

「販売者は、しばしば欲求(ウォンツ)とニーズを混同する。ドリルの歯のメーカーは、顧客はドリルの刃に対してニーズを持っていると思うかもしれないが、顧客の本当のニーズは穴である」

というセオドア・レビットの言葉です。

家の棚を作ろうとしてホームセンターにドリルを買いにきたお客さんがいます。「ドリルが欲しい」と店員に言いますが、本当に必要なのは穴を空けることです。もし「板の切断・穴あけサービス1カ所30円」という看板をみたらすぐさまそっちにウォンツが切り替わるでしょう。

新しいウォンツの提示

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潜在的なニーズを見つけ出して新しい解決策を提示する事ができれば、それが消費者の新しいウォンツになります。人間は必要性を感じていても、まだ知らないものを「欲しい」と思うことはなかなかできません。
また、世の中のどこにもその解決策がなければ「不便・必要」と思わず「それが当たり前!」として必要性自体意識することもないでしょう。

インターネットや携帯電話がその代表といえるでしょう。インターネットができる前は調べものは書籍や、誰かに聞いたりしていたでしょうが、インターネットで手軽になんでも検索できるようになってそれに慣れてしまうと、書籍や口コミだけで情報種集するのはかなりのストレスを感じます。携帯電話がないころは外出先では連絡がとれないのが普通だったんでしょうが、今ではうっかり携帯電話を忘れると、「あー今すぐ連絡したいのに!」と強く欲求やいらだちを感じてしまいます。

潜在的ニーズの価値

潜在的ニーズをみつけだし、新しい解決方法を提示できるという事は、ライバル企業の気づかない視点で顧客をみつめ、今までにない(競合がいない)サービス・商品・販売方法などを生み出すということになります。
みんなが意識せずとも欲しているものを見つけ出すと一口に行っても、実行するのは難しい事です。さらに、新しい商品・サービス・販売方法はそのメリットを周知してもらうための努力(広告など)が必要になることもあります。
しかし、潜在的ニーズから生み出された優れた商品・サービスは、機能の競争、価格競争、スピード競争からぬけだしライバルから「差別化」する可能性が非常に高いのです。

成功事例

潜在的ニーズから新しいウォンツを作り出した、有名な事例を2つご紹介。

自分の好きな音楽をいつでもどこでも

ソニーのウォークマンについては有名なエピソードがあります。当時、会長だった盛田氏がスキーをしていると、会場から聞こえてくる音楽が気に入らず、自分の好きな音楽を聴きながらすべりたいと思い、そこから小型の再生専用テープレコーダーの開発が始まったそうです。当初は特殊すぎて売れない!と社内で反対があったそうですが、発売したとたん大ヒット!
それまでは、「音楽を携帯したい」という発想はありませんでしたが、目の前に商品があらわれると「こういうのが欲しかったんだ!」とみんな殺到したそうです。

本当に欲しいのはコピー機じゃなかった

今では一般的なオフィス用コピー機のリースですが、これを最初に始めたのは富士通だそうです。
コピー機購入を検討する顧客に対してリースを提案し大成功しました。お客さんが本当に必要としてるのはコピー機ではなく「コピーすること」だったのです。
当時はコピー機は今よりもっと高価だったのでしょう。起業したばかりで資金が限られている企業などに大変喜ばれたでしょうね。

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